エスティマのリヤバンパーを剥がすと、きれいに隠れていた匠ヒッチメンバー(シーマリン社扱)http://www.sea-marine.com/hitchmember/toyota1/estimaemi.html

国産モノコックシャーシ車用に安価で出回っている商品はほとんどがボートトレーラー用に設計されているのが現状だが、果たしてキャンピングトレーラーに使っても大丈夫なのか?
カシータを購入する前はこの軽トレーラーにバイクを積んでエスティマで寝泊まりしていた。

かつてこのトレーラーを引っ張るためにシーマリンで一式揃えて装着までしてもらったものだが、垂直加重75㎏、水平加重750㎏がヒッチメンバーの最大定格荷重。カシータはどちらも軽くオーバーしている。

案の定だんだんヒッチボールの位置が微妙に下がっていったが、ある水準で安定?したためそのまま3年程使っていた(オイオイ)。

しかしヒッチボールにトレーラーの先端が斜めに掛かっていて不安感があるし、どこかに無理な金属疲労が掛かって突然折れないとも限らないので、意を決してヒッチメンバーをばらすことにした。
ばらすのは拍子抜けするほど簡単だった。

6カ所のねじで留まっているバンパーを外しただけで他に干渉する部品はない。

これなら慣れている人なら1時間程度で取り付けられるだろう。
シーマリン社に取り付け料金を2~3万円支払ったような・・・もったいない。
ここにヒッチメンバーを付けてください、といわんばかりの穴。ご丁寧にナットまで余分に内側に溶接されている。ただ、匠ヒッチメンバーはこのナットは使用していなかった。
穴に30㎝程度鉄骨が入るようになっている。ヒッチメンバーの幅はちょうど1m。
ヒッチメンバーが変形しているものとばかり思っていたが、各部品やボルト類に変形や固着は全く認められず、何の抵抗もなくばらすことができた。5年ほど使用したが塗装剥がれや錆など全くなく、安いからと言って手抜きはない造りだ。

丈夫な鉄骨部品だが、ナットが外側に付いている。
これではフレームと4点のみで接触することになり、集中的に加重が掛かることになる。
案の定奥の取り付け部分のフレームが変形していた。

亀裂などは入っていなかったので危険な状態ではないが、補強が必要。
手前の穴部分はフレーム内側に補強板がもともと付いているのだが奥は鉄板1枚だけのため、ヒッチボールで垂直下方向に加わった過荷重が手前の穴を支点にシーソーのように奥の穴には上に引っ張られる力が加わったようだ。手前の穴周辺は全く変形していなかった。
補強板をホームセンターの鉄骨売り場で物色。

3mm厚のL字金具@120円を塗装。
金具を当てがって思いっきりねじ込むと
ほぼ元通りに。この程度で変形するようでは、とてもキャンピングトレーラーの荷重には耐えられないだろう。
もう一度修理前の状態と比較。

ヒッチメンバーの角度が水平になり、補強金具も取り付けたのでこれからは安心してトーイングできる。もっと早くやればよかった。


まとめ

・ボートトレーラー用ヒッチでもヒッチ自体の強度はかなり余裕がある。
・モノコックボディは面で強度を得る工法のため、1点に荷重が集中すると脆い。ボートトレーラー用ヒッチの取付部分は面で荷重を分散する作りになっていないことが多いので、ボディとの取付部分に補強板を追加する必要がある。


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